祇

7月17日:山鉾巡行 河原町四条での辻回し
毎年8月に入ると京都のあちらこちらで、盆の行事が始まります。 始まりは、先祖の精霊(しょうろう)を迎える「迎え盆」で、京都で特に有名で賑わうのは六道珍皇寺や六波羅密寺の「迎え鐘」です。 その他の寺でも、多数の灯籠や提灯で境内や墓地を照らし、地元京都の人々が墓参りを兼ねて出かけます。 盆の終わりは、なんと言っても「五山の送り火」でしょう。先祖の精霊が山の向こうに帰ってゆく足元を明るく照らすというこの行事を、8月16日前後に渡ってご紹介します。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 この画像は壁紙(1024×768)です。 大きなサイズ(1280×1024)はこちらをクリック |
天気が良い日に大文字山に登ると、嵯峨〜北山一帯に送り火の行われる山を見晴らすことができます。 8月16日の送り火の時は、この大文字山には関係者以外登れませんので、この場所から眺めるわけにはいきません。かといって、高いビルが立ち並ぶ市街地から五山全部を見ることができる場所は限られているのが実情です。 特に、「妙」と「法」は松ヶ崎の低い丘にあるので高いビルの屋上からでも全景を見ることが難しくなっています。 昔は送り火は十山あったと言われていますが、今では場所さえわかりません。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
大文字山(如意ケ岳)は京都市民のハイキングコースとして一年中登山することができます。いくつかの登山コースがありますが、銀閣寺からの道が一般的で慣れると30分程度で「大」の文字の第一角(横一)に到着します。 ここには売店も自販機もトイレもありませんので事前に準備が必要です。 ここは、最もお手軽に京都盆地を見渡せる場所です。 写真左は「大」の横一部分です。石のブロックは火床で、8月16日にはここに「割り木」と「護摩木」が積み上げられ火がつけられます。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 この画像は壁紙(1024×768)です。 大きなサイズ(1280×1024)はこちらをクリック |
今出川通と鴨川の交差地点にある賀茂大橋周辺は、大文字送り火鑑賞スポットのひとつです。この橋上からは松ヶ崎東山の「法」の文字も良く見えます。 普段見慣れた大文字も、8月16日には特別の気持ちで眺めてしまいます。当日午後には登山が禁止となります。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
8月16日には、山上にテントが張られます。午後三時まで大文字に登山し「割り木」や「護摩木」を自分で納めることができます。 肉眼では見えない風景を超拡大画面でご覧いただき、当日の雰囲気を味わってください。 左の写真をクリックすると超拡大画像になります。 (注)3000×2000ピクセルの画像ですので表示に時間がかかる場合があります。 |
送り火の文字は近くに行ったからといってよく見えるというものではないのです。この「法」もすぐ下まで民家が立ち並んでいるため近くに行くと見えなくなるのです。 写真は賀茂大橋から高野川上流方向の「法」を撮影したものです。 手前の橋は下鴨神社に渡る河合橋です。賀茂川と高野川が合流して鴨川となるこの場所で水遊びをする光景はのどかです。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
「妙」は松ヶ崎西山にあります。写真のとおり山というより丘といった場所です。 ここも近づこうとするほど建物などの陰で見えなくなるのです。宝ヶ池のサッカーグラウンドを目印に行けばたどりつけます。 8月16日当日にはすでに割り木が積み上げられていました。おかげで、いつもより「妙」の字がはっきりとしていました。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
夜、五山に火がつくと距離感がわからないため大きさで遠近を感じてしまいます。船形は結構大きく見えるため近くに感じるのですが、一番奥まったところにあります。賀茂川の上流にある上賀茂神社の御薗橋をさらに越えて京都ゴルフ倶楽部の裏山に多きな五角形が見えます。 まるで、ナスカの地上絵のように大きな船が描かれています。 ここも8月16日には割り木が積まれて、いつもよりはっきりと船の輪郭がわかりました。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
「大文字」の麓には銀閣寺、「左大文字」の近くに金閣寺、「鳥居形」の近くに化野念仏寺というように送り火は、お寺が運営しているように思われがちですが、違うのです。五山の送り火は民間行事であり、京都市民(保存会)が自主的に運営しているところが凄いことなのです。 8月16日、左大文字には酷暑のなか多数の市民がボランティアで参加し準備をしていました。 左の写真をクリックすると超拡大画像になります。 (注)3000×2000ピクセルの画像ですので表示に時間がかかる場合があります。 |
夜、着火しても場所がわからない、昼間探してもなかなか見つからない「鳥居形」 火が着くと「鳥居形」に見えるが、昼間見るとすぐには鳥居形と気がつかない・・・木を伐採した後の山肌に見える・・・ この鳥居形で燃やす護摩木は、化野念仏寺で購入し奉納します。 清滝トンネルの手前で目の前に忽然と姿を現しますが、電柱や電線が邪魔で写真を撮る気持ちになりません。 少し離れて、大覚寺の大沢池から撮ると、いかにも京都の風景になるところが悩ましい「鳥居形」です 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
大文字で燃やす「割り木」と「護摩木」は銀閣寺門前で販売されます。「割り木(普通の薪)」が一本200円、「護摩木」が300円です。皆さん5本、10本とまとめて買われて、その場で家内安全などの願い事や、ご先祖の戒名を書き奉納します。8月16日当日まで受付されています。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
送り火の点火は午後8時(大文字)ですが、この日は夕刻から市内のあちらこちらに人々が集まり始めます。写真は鴨川と今出川通が交差する賀茂大橋から午後6時過ぎに撮影したものです。人々からは大文字が正面に見えます。河合橋(写真右)の奥には「法」も見える場所です。すでに河原には多数の人々が送り火の開始を待っています。 人が集まるところにありがちな大音量の音や喧騒がない、不思議な静けさの空間で徐々に夜が更けて行きます。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
送り火が見えるビル屋上では、ビルオーナーが取引先やテナントを招待して「送り火鑑賞会」が開催されます。 送り火自体はわずか30分間程度の行事ですが、京都でしか見ることができない行事であり招待客は全国から集まります。 午後7時頃の光景です。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
午後8時、大文字山(如意ケ岳中腹)でチラチラと赤い光が動きます。道路にもビルの屋上にも送り火が見える場所には人だかりができています。 皆、黙って山の方角を見つめています。 そのうち、ぱあ〜っと山肌に大の文字が浮かび上がります。観衆がどよめきます。うまく点火できたことを一緒になって喜んでいます。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
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点火後5分〜10分で炎が大きくなり、立ち上る煙が赤く染まります。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 この画像は壁紙(1024×768)です。 大きなサイズ(1280×1024)はこちらをクリック |
河原町今出川のビル屋上から撮影した大文字遠景です。手前に鴨川が流れ、今出川通の車の光跡の向こうに大文字が浮かび上がります。この日この時間には市内のネオンが消されます。 賀茂大橋の歩道は多数の観衆で埋め尽くされています。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 この画像は壁紙(1024×768)です。 大きなサイズ(1280×1024)はこちらをクリック |
点火後20分ほどで急速に火力が落ちはじめます。このころは他の山にも点火されているので、そちらに気をとられがちですが、個人的には次第に火力が衰え鎮火してゆくこの光景が最も好きです。 消えないで欲しい、けど消えざるを得ない、人生のはかなさを感じる時間です。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
大文字に点火後、8時10分になると、「妙」と「法」に点火されます。松ヶ崎は低い丘のため、「妙法」の全景を見ることは至難です。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
かろうじて撮影できた「妙」です。今後全景を撮影できた時には、画像を差し替えましょう。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
同じくかろうじて撮影できた「法」です。今後全景を撮影できた時には、画像を差し替えましょう。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
午後8時15分、「左大文字」と「船形」に点火されます。大文字の火力が衰え始めるころ、赤々と燃え上がります。 シーンとした市街地の向こうに、大きな赤い明かりが音も無く輝いている不思議な光景です。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
烏丸御池近くのビル屋上から見た「船形」です。手前に丘があるため船底が見えませんが、かえって荒波を越えて西方浄土に向かう船の姿に見えてしまいます。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
金閣寺の北側に位置する「左大文字」です。北西の市街地にありますが、夜は遠近感がないため遠くあるように感じます。小さいにもかかわらず、五山の中で最も明るく輝いて見えます。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
午後8時20分、「鳥居形」に点火されます。場所は火廻要慎(ひまわりようじん)信仰の愛宕山登山口である一番鳥居がある嵯峨鳥居本(とりいもと)にあることから鳥居の形になったと言われています。最後に点火されますが、他の山のように、あらかじめ積んでおいた割り木や護摩木に火をつけるのではなく、松明に火をつけて山に登り鉄製の台に突き立てます。したがって京都市街中心地からは遠くて明るさも弱い印象があります。市街中心部から見ると、嵐山の方角のように思われるけど、どこで燃えているのか判らないというのが「鳥居形」です。 嵐山の桂川では当日、灯籠流しが行われ、鳥居形送り火と灯籠流しを同時に鑑賞するのも一つかと思います。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
大文字の送り火が消火された後、深夜に大文字に向けて登山を始める人たちがいます。消炭(けしずみ)を拾うためにです。 京都には伝統的に「厄除け」信仰が根強くあります。人々は、山に登って燃え残った消炭を持ち帰り、「魔除け」「厄除け」として半紙につつんで水引きで結び玄関につるします。 |
送り火の翌日には、大人に混じり子供たちも大勢登山してきます。約200m四方の大の字の火床にちらばり消炭を拾います。 この子供たちが、いつの日か京都の伝統に気がつき引き継ぐことになることを願います。 ただし、子供たち、袋イッパイになるまで拾うのは止めましょう。これから拾い来る人たちもいるんだよ 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
この日、大文字に登山する人の目的は消炭拾いです。ちゃんとレジ袋を持参しています。軍手持参の人もいます。 しかし、なぜレジ袋なのでしょう? という私も、レジ袋持参でした。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
大文字山の麓の銀閣寺周辺には消炭を玄関につるしている民家があります。 この家の消炭は大きなもので、割り木の消炭です。これを手に入れるには、保存会関係者あるいは消火と同時に現地に入らなければ無理でしょう。祗園祭の長刀鉾の「ちまき」とともに厄除け祈願の心が伝わります。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
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銀閣寺周辺の民家の玄関先には、大小の消炭が半紙で包まれ水引きで結ばれています。 同じく厄除けの「ちまき」や、「茅の輪」なども一緒に飾られている民家もあります。 神仏や怨霊と共存してきた京都の歴史を感じさせる光景です。 左の写真をクリックすると拡大画像になります。 |
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